シトシトと雨が降る。
俺の心を表すかのように・・・・
ずっと憧れていた。
笑うと氷の瞳が空の色に変わった。
その笑顔が眩しかった。
彼はいつも、俺が手に入れた宝を奪っていった。
悔しそうにしてみたけれど……本当は彼と会えたことが、
彼の夢を手伝えたことが、嬉しくて仕方がなかった。
宝を手に入れても彼が来ないときは不安で仕方がなかった。
俺がいなくともファルコンへ辿り着く方法を見つけてしまったのではないか、と。
俺のことなど忘れて、他に安らげる場所を手に入れたのではないか、と。
彼は覚えているのだろうか……俺がファルコンを目指したわけを。
父親を失い、悲観に暮れていた俺に差し出された暖かな手。
「動力石を見つけて、一緒に探そう」
そう言って太陽の様に明るく暖かい笑顔を浮かべた。
気が付けば、親父よりも大きな位置を占めるようになっていた彼。
あこがれの気持ちが恋情にすり替わったのがいつなのかはよく覚えていない。
その声で囁いて欲しいと、優しく抱き締めて欲しいと、空を見上げて焦がれた夜もあった。
彼から吐息混じりに囁かれる甘い言葉。
嬉しかった。でも、恥ずかしかったから突っぱね続けた。
それでも彼は俺を想ってくれる。そう信じていたからこそのポーズ。
そのときは腕の中から青い鳥が飛んで逃げていくことなど考えてもいなかったから。
幼いとき、心を偽ったが為に父親が消えた。
そして今度も、素直になれなかった俺の前から……彼が消えていく……
愚かな俺を苛むように、冷たい雨が降り続ける………
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